スピッツ「雪風」

発売まで

2015年3月14日 初紹介
2015年4月10日 配信決定
2015年4月15日 各音楽配信サイトにおいて配信開始

補足

「ミスター」こと鈴井貴之氏よりオファーを受けて書き下ろし。ドラマ「不便な便利屋」のEDテーマ。
鈴井氏は14年にスピッツのライブを観て、当時の氏のブログに感想があったのだがそのブログが消えている…。
あ、あった。webarchiveはステキ。

俺もどうでしょう好きなのでミスターが監督やる上にEDがスピッツと聞いたときはびっくりしたよね。

ジャケット写真は名言こそされていないものの「スピッツベルゲン島」と思われる。氷山の頂上にとびでた「ス」がかわいい。

曲について

ドラマに書き下ろしただけあって、全体としては「いわゆるスピッツの曲」だ。アレンジも亀田氏から変わらず、無難といえば無難だ。
しかしながら相変わらずの美メロ・サビに頼らない・凝ったアルペジオなど聴きどころは多い。
「さざなみCD」の僕のギター~桃の流れを一曲にまとめた感じだ。’10年台スピッツもなかなか作風が安定しないが、この最新のサウンドは大好き。

「きれいでしょ?」と言わんばかりの、しかし実際きれいなギターがイントロ。亀田氏は「きれいでしょ?」を押し付けて過剰アレンジにしてしまう(Pのイントロとか)ので、今回くらいの塩梅でこれからもやっててほしい。
イントロの鉄琴?みたいな音も違和感ないし、シンセも絶妙に主張しすぎない。これはいい亀田ですね。

あとはイントロのギターが降ってくる雪~イントロ後半は雪風で、ドラムが雪を踏みしめる音って感じ。

何と言っても終盤のコーラスがよい。終わり方もよい。ゴースカの雪風めっちゃよかったよおおおおおおおおおおおおお

詩について

まず、「涙が乾いてパリパリの 冷たい光受け立ち上がれ」がよい。
「パリパリ(の)」が前後どちらにもかかっているので一つの流れに。さらに雪っぽさ(冬っぽさ)を最後の最後に増す役割もある。

歌詞のストーリーだけど明らかに片方が死んでる。そういう意味でもスピッツソングなのか。
しかし「不便な便利屋」のストーリーを噛ませているという話もある(ドラマ観てないからわからない)。
東京で夢破れて北海道へ~ってドラマみたいなので、「割れた欠片と同じものを 遠い街まで探しに行ったね」はカチッとはまる。
2重構造になってるんだろうか。ドラマから雰囲気を引っ張ってきてあとはマサムネワールドで覆ったらこうなったと。いやドラマ要素は「遠い街」だけっぽい気もするな。

「これでいいかな? ダメって言うかな?」は何だろう。「君」側の視点だよねこれ。

視点

1番が「君」で、2番が「語り手(僕)」と読める。意識すると、はっきり視点が変わっている。

「これでいいかな? ダメって言うかな?」に対して、「君は生きてく 壊れそうでも 愚かな言葉を 誇れるように」か。
そして「雪風の中問いかけてみる」に対して、「こんなふうに触れ合えることもある」。

「君」は「僕」を失ってから巻き戻しの海を泳ぐ、雪風の中問いかける。そしてもう会えない「僕」と触れ合っている。「巻き戻しの海」「現実と離れたとこ」は夢とも三途の川ともつかぬような、青い車の「輪廻の果て」みたいな。
そして夢が覚めて、冷たい光を受け立ち上がれ。

うーん詩的だ。素敵だ。